経審の元請完成工事高とは?公共工事を目指す場合の確認ポイント

経営事項審査

経営事項審査、いわゆる「経審」では、完成工事高だけでなく、元請完成工事高も重要な確認項目になります。

経審を初めて受ける建設業者様の中には、

・完成工事高と元請完成工事高は何が違うのか
・下請工事の売上は元請完成工事高に入るのか
・工事経歴書ではどのように整理すればよいのか
・公共工事への入札参加資格申請と関係するのか
・元請完成工事高が少ない場合はどう考えればよいのか

といった疑問を持つ方も少なくありません。

完成工事高は、完成した建設工事の金額を業種ごとに整理するものです。

一方、元請完成工事高は、その完成工事高のうち、発注者から直接請け負った工事、つまり元請工事として完成した工事の金額を整理するものです。

経審では、会社全体の売上だけでなく、業種ごとの完成工事高や元請完成工事高が確認されます。

特に、公共工事への入札を目指す場合は、元請としてどのような工事実績があるかが、入札参加資格申請や格付けの場面で関係することがあります。

この記事では、群馬県太田市を中心に、伊勢崎市・桐生市・みどり市・栃木県足利市周辺で経営事項審査を検討している建設業者様向けに、経審の元請完成工事高と公共工事を目指す場合の確認ポイントを分かりやすく解説します。

元請完成工事高とは

元請完成工事高とは、完成工事高のうち、発注者から直接請け負った工事の金額をいいます。

建設工事には、元請工事と下請工事があります。

元請工事とは、発注者から直接請け負う工事です。

下請工事とは、元請業者などから請け負う工事です。

たとえば、施主や発注者から直接契約を受けて工事を行った場合は、元請工事に該当することがあります。

一方、元請業者から一部の工事を請け負った場合は、下請工事として整理することになります。

経審では、完成工事高の中から、元請として完成した工事の金額を区分して確認する場面があります。

経審の完成工事高については、別記事「経審の完成工事高とは?工事経歴書との関係を解説」でも解説しています。

完成工事高と元請完成工事高の違い

完成工事高と元請完成工事高は、似ているようで意味が異なります。

完成工事高は、その事業年度に完成した建設工事の金額をいいます。

元請完成工事高は、その完成工事高のうち、元請として完成させた工事の金額をいいます。

つまり、完成工事高の中には、元請工事も下請工事も含まれます。

一方、元請完成工事高は、そのうち元請工事だけを抜き出して整理するものです。

たとえば、ある年度に完成した工事の中に、

・発注者から直接請け負った工事
・元請業者から下請として請け負った工事

がある場合、完成工事高には両方が関係します。

しかし、元請完成工事高として整理するのは、原則として発注者から直接請け負った元請工事の部分です。

元請完成工事高は経審でなぜ重要なのか

元請完成工事高は、経審の技術力や公共工事への入札参加を考えるうえで重要な項目です。

経審では、会社の経営規模、経営状況、技術力、社会性等などが評価されます。

元請完成工事高は、技術力に関係する項目として意識されることがあります。

特に、公共工事では、元請として工事を請け負う能力や実績が重視される場面があります。

そのため、公共工事への入札を考えている建設業者様は、完成工事高だけでなく、元請完成工事高も整理しておくことが大切です。

ただし、元請完成工事高が多ければ必ず公共工事を受注できるというものではありません。

入札参加資格申請では、発注機関ごとの審査基準、経審の総合評定値、工事実績、主観点、個別案件の参加要件など、さまざまな要素が関係します。

経審の点数については、別記事「経審の点数とは?P点・Y点・Z点・W点をわかりやすく解説」でも解説しています。

工事経歴書との関係

元請完成工事高を整理する際に重要になるのが、工事経歴書です。

工事経歴書は、建設業者が行った工事の内容を記載する書類です。

建設業許可を受けている建設業者は、毎事業年度終了後、決算変更届を提出します。

その決算変更届の中で、工事経歴書を作成します。

工事経歴書には、工事名、工事場所、注文者、元請・下請の別、請負代金の額、工期などを記載します。

経審を受ける場合、この工事経歴書の記載内容が完成工事高や元請完成工事高の整理と関係します。

特に、元請・下請の区分に誤りがあると、元請完成工事高の確認に影響する可能性があります。

決算変更届については、別記事「建設業許可の決算変更届とは?提出期限や必要書類をわかりやすく解説」でも詳しく解説しています。

元請・下請の区分に注意する

元請完成工事高を整理するには、元請工事と下請工事の区分を正しく確認する必要があります。

元請工事か下請工事かは、工事名だけで判断するものではありません。

誰から直接請け負った工事なのか、契約関係がどうなっているのかを確認することが大切です。

たとえば、工事の規模が大きいから元請、小さいから下請というわけではありません。

発注者と直接契約していれば、規模が小さくても元請工事に該当する場合があります。

反対に、大きな工事であっても、元請業者から一部工事を請け負っている場合は、下請工事として整理することになります。

元請・下請の区分を確認する際は、契約書、注文書、請書、請求書、発注者との関係などを確認しておきましょう。

公共工事では元請実績が意識されやすい

公共工事への入札を検討する場合、元請としての実績が意識されることがあります。

公共工事は、発注機関から直接請け負う工事です。

そのため、入札参加資格申請や個別案件の参加要件では、元請としての実績や、発注機関が求める工種・等級・条件などが関係する場合があります。

ただし、元請完成工事高があるからといって、必ず入札参加資格申請で有利になる、または公共工事を受注できるというものではありません。

発注機関ごとに受付時期、申請方法、審査基準、格付け、個別案件の参加要件が異なります。

公共工事を目指す場合は、元請完成工事高だけでなく、経審結果、入札参加資格申請、会社の施工体制、技術職員、過去の実績などを一体で確認することが大切です。

入札参加資格申請については、別記事「入札参加資格申請とは?公共工事を受注するために必要な手続きをわかりやすく解説」でも解説しています。

元請完成工事高とZ点の関係

経審では、技術力に関係する項目としてZ点が出てきます。

Z点には、技術職員の状況や元請完成工事高などが関係します。

そのため、元請完成工事高は、経審の点数を確認するうえでも重要な項目です。

ただし、Z点は元請完成工事高だけで決まるものではありません。

技術職員の人数や資格、業種との対応、元請完成工事高、その他の評価項目などを総合して考える必要があります。

また、経審全体の総合評定値であるP点は、Z点だけではなく、X点、Y点、W点なども含めて算出されます。

したがって、元請完成工事高を確認する場合も、経審全体の中の一つの要素として考えることが大切です。

経審の技術職員については、別記事「経審の技術職員とは?資格・常勤性・確認資料のポイント」でも解説しています。

業種ごとの元請完成工事高を確認する

元請完成工事高は、業種ごとに整理することが重要です。

経審では、土木一式工事、建築一式工事、電気工事、管工事、内装仕上工事など、建設業の業種ごとに完成工事高を確認します。

元請完成工事高についても、どの業種の元請工事として整理するかが重要になります。

たとえば、電気工事で公共工事への入札を目指す場合は、電気工事の元請完成工事高がどの程度あるかを確認する必要があります。

管工事で入札参加資格申請を考えている場合は、管工事の元請完成工事高を整理しておく必要があります。

業種ごとの整理が不十分だと、経審申請や入札参加資格申請の準備に影響する可能性があります。

工事名だけで業種を判断しない

元請完成工事高を整理する際は、工事名だけで業種を判断しないことが大切です。

たとえば、「改修工事」「設備工事」「修繕工事」「外構工事」といった名称だけでは、どの建設業種に整理すべきか分かりにくい場合があります。

実際の工事内容、契約内容、施工した工種、許可業種との関係を確認する必要があります。

複数の工種を含む工事では、主たる工事が何か、附帯工事の考え方が関係する場合もあります。

業種の判断を誤ると、経審を受けたい業種の完成工事高や元請完成工事高に正しく反映されない可能性があります。

建設業許可の種類については、別記事「建設業許可の種類とは?大臣許可・知事許可、一般建設業・特定建設業の違い」でも解説しています。

元請完成工事高と平均年数の確認

経審では、完成工事高について、一定期間の平均で評価される場合があります。

元請完成工事高についても、経審申請の内容に応じて、対象となる期間や平均年数を確認する必要があります。

一般的には、直前2年平均や直前3年平均などの考え方が関係する場合があります。

どちらを選択するかによって、業種ごとの完成工事高や元請完成工事高の見え方が変わることがあります。

ただし、どちらが有利かは会社の工事実績や申請業種、公共工事への参加方針によって異なります。

単純に「こちらが必ず有利」とは言えません。

申請前には、過去の工事実績を確認し、経審を受ける業種ごとに整理しておくことが大切です。

元請完成工事高が少ない場合の考え方

公共工事への入札を考えているものの、元請完成工事高が少ないという建設業者様もあります。

この場合でも、すぐに経審や入札参加資格申請をあきらめる必要はありません。

ただし、元請完成工事高が少ない場合は、入札参加資格申請や格付け、参加できる案件の範囲などに影響する可能性があります。

また、公共工事では、発注機関ごとに求められる実績や条件が異なります。

そのため、まずは、

・どの業種で経審を受けるのか
・どの発注機関へ入札参加資格申請をするのか
・元請工事と下請工事の実績がどの程度あるのか
・技術職員や社会性等の項目はどうなっているか
・今後どの業種で実績を積んでいくのか

を確認することが大切です。

経審で点数を上げるために見直したいポイントについては、別記事「経審で点数を上げるには?見直したい主なポイントを解説」でも解説しています。

下請工事が多い会社の場合

建設業者様の中には、下請工事が中心という会社もあります。

下請工事が多い場合、完成工事高はあっても、元請完成工事高は少なくなることがあります。

この場合、経審上の評価や入札参加資格申請を考える際には、会社の現状を正しく把握することが重要です。

下請工事が多いこと自体が悪いというわけではありません。

ただし、公共工事の元請受注を目指す場合は、元請としての施工体制、技術職員、工事実績、資金面、書類対応など、これまでとは異なる準備が必要になる場合があります。

公共工事への入札を目指す場合は、下請工事の実績だけでなく、今後どのように元請実績を積んでいくかも含めて検討するとよいでしょう。

工事経歴書と財務諸表の整合性

元請完成工事高を整理する際は、工事経歴書と財務諸表の整合性にも注意が必要です。

工事経歴書に記載した工事の金額や元請・下請の区分は、決算変更届や経審申請の確認に関係します。

また、完成工事高は財務諸表の完成工事高とも関係します。

工事経歴書と財務諸表の金額に整合性がないと、確認や補正が必要になる場合があります。

建設業以外の売上がある場合は、完成工事高と兼業事業売上高の区分も確認が必要です。

税込・税抜、未成工事、兼業売上、会計処理などについては、必要に応じて税理士等へ確認しながら進めることが大切です。

元請完成工事高に関するよくある不備

元請完成工事高に関する不備としては、次のようなものがあります。

・元請工事と下請工事の区分が整理されていない
・工事経歴書の元請・下請欄に誤りがある
・工事名だけで業種を判断している
・業種ごとの元請完成工事高が整理されていない
・完成工事高と元請完成工事高を混同している
・未成工事を完成工事高に含めている
・財務諸表や決算変更届との整合性を確認していない
・入札参加資格申請で希望する業種との関係を確認していない

こうした不備があると、経審申請時に補正や追加確認が必要になることがあります。

経審でよくある不備については、別記事「経審でよくある不備とは?申請前に確認したいポイント」でも解説しています。

経審結果通知書で確認すること

経審を受けた後は、経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書を確認しましょう。

経審結果通知書では、業種ごとの総合評定値、いわゆるP点や、各評価項目を確認することができます。

元請完成工事高がどのように反映されているか、前回と比べてどのように変化しているかを確認することが大切です。

特に、公共工事への入札参加資格申請を予定している場合は、入札参加を希望する業種の経審結果を確認しておきましょう。

経審結果通知書は、次回の経審準備にも役立ちます。

前回の結果と比較することで、完成工事高、元請完成工事高、技術職員、社会性等の変化を確認しやすくなります。

経審結果通知書の見方については、別記事「経審結果通知書の見方とは?確認したい主な項目を解説」でも解説しています。

公共工事を目指す場合の確認ポイント

公共工事を目指す場合、元請完成工事高だけでなく、次の点をあわせて確認しておくことが大切です。

・建設業許可を取得している業種
・経審を受ける業種
・業種ごとの完成工事高
・業種ごとの元請完成工事高
・技術職員の資格や常勤性
・社会性等の確認資料
・経審結果の有効期間
・入札参加資格申請の受付時期
・希望する発注機関の申請区分
・個別案件の参加要件

公共工事への入札は、経審だけで完結するものではありません。

経審を受けた後、発注機関ごとの入札参加資格申請を行い、さらに個別案件ごとの参加要件を確認する必要があります。

経審を毎年受ける理由や有効期間については、別記事「経審を毎年受ける理由とは?有効期間と更新スケジュールを解説」でも解説しています。

群馬県太田市・伊勢崎市・桐生市・みどり市・足利市周辺の建設業者様へ

群馬県太田市を中心に、伊勢崎市・桐生市・みどり市・栃木県足利市周辺で公共工事への入札を検討している建設業者様にとって、元請完成工事高の整理は重要な確認ポイントです。

特に、

・元請工事と下請工事の区分が分からない
・工事経歴書の整理に不安がある
・どの業種で経審を受けるか迷っている
・公共工事への入札参加資格申請を考えている
・元請完成工事高が少ない場合の影響を確認したい

という場合は、早めに工事実績や申請業種を整理しておくことをおすすめします。

元請完成工事高は、経審の点数だけでなく、公共工事への入札参加を考えるうえでも確認しておきたい項目です。

決算変更届、工事経歴書、経審申請、入札参加資格申請までを一体で考え、余裕をもって準備を進めましょう。

まとめ

経審の元請完成工事高とは、完成工事高のうち、発注者から直接請け負った元請工事として完成した工事の金額をいいます。

完成工事高には元請工事と下請工事が含まれますが、元請完成工事高はそのうち元請工事の金額を整理するものです。

元請完成工事高を確認する際は、工事経歴書、元請・下請の区分、業種ごとの整理、財務諸表との整合性を確認することが大切です。

また、公共工事への入札を目指す場合は、元請完成工事高だけでなく、建設業許可、経審を受ける業種、技術職員、社会性等、入札参加資格申請まで含めて確認する必要があります。

群馬県太田市・伊勢崎市・桐生市・みどり市・足利市周辺で経審を予定している建設業者様は、申請前に元請完成工事高と工事経歴書の内容を早めに確認しておきましょう。

経審の元請完成工事高・工事経歴書のご相談は行政書士おおうち事務所へ

行政書士おおうち事務所では、群馬県太田市を中心に、伊勢崎市・桐生市・みどり市・栃木県足利市周辺の建設業者様から、経営事項審査、決算変更届、工事経歴書、入札参加資格申請に関するご相談をお受けしています。

元請完成工事高は、元請・下請の区分、業種別の整理、工事経歴書、財務諸表との整合性など、確認すべき点が多い項目です。

経営事項審査のサポート内容については、固定ページ「経営事項審査・経審」でもご案内しています。

入札参加資格申請のサポート内容については、固定ページ「入札参加資格申請」でもご案内しています。

経営事項審査の元請完成工事高や工事経歴書の整理でお困りの建設業者様は、行政書士おおうち事務所へご相談ください。

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