経営事項審査、いわゆる「経審」では、会社の経営状況や技術職員だけでなく、完成工事高も重要な確認項目になります。
完成工事高は、経審を受ける業種ごとの評価に関係します。
そのため、
・完成工事高とは何を指すのか
・工事経歴書とどのように関係するのか
・どの業種の完成工事高として整理すればよいのか
・元請完成工事高とは何が違うのか
・決算変更届の段階で何に注意すればよいのか
といった点で迷う建設業者様も少なくありません。
経審では、単に売上が多いかどうかだけではなく、どの工事をどの建設業種の完成工事高として整理するかが大切です。
工事経歴書や決算変更届の内容が整理されていないと、経審の準備や確認に時間がかかることがあります。
この記事では、群馬県太田市を中心に、伊勢崎市・桐生市・みどり市・栃木県足利市周辺で経営事項審査を検討している建設業者様向けに、経審の完成工事高と工事経歴書との関係を分かりやすく解説します。
- 経審における完成工事高とは
- 完成工事高は経審の点数に関係します
- 工事経歴書とは
- 経審を受ける場合は工事経歴書の整理が重要です
- 業種ごとの完成工事高を確認する
- 元請完成工事高とは
- 工事経歴書では元請・下請の区分に注意する
- 完成工事高と未成工事は区別する
- 税込・税抜の確認にも注意する
- 業種の振り分けに注意する
- 経審を受ける業種を事前に決めておく
- 完成工事高の平均年数にも注意する
- 完成工事高が少ない業種はどう考えるか
- 工事経歴書と財務諸表の整合性を確認する
- 工事経歴書の記載順にも注意する
- 完成工事高に関するよくある不備
- 経審結果通知書で完成工事高を確認する
- 群馬県太田市・伊勢崎市・桐生市・みどり市・足利市周辺の建設業者様へ
- まとめ
- 経審の完成工事高・工事経歴書のご相談は行政書士おおうち事務所へ
経審における完成工事高とは
完成工事高とは、建設業者が一定の事業年度に完成させた建設工事の金額をいいます。
経審では、完成工事高が経営規模や業種ごとの評価に関係します。
特に、公共工事への入札参加資格申請を考えている場合は、どの業種で経審を受けるのか、その業種の完成工事高がどのように整理されているのかが重要になります。
たとえば、土木一式工事、建築一式工事、電気工事、管工事、内装仕上工事など、建設業許可の業種ごとに完成工事高を整理する必要があります。
経審の点数の基本については、別記事「経審の点数とは?P点・Y点・Z点・W点をわかりやすく解説」でも解説しています。
完成工事高は経審の点数に関係します
完成工事高は、経審の点数に関係する重要な項目です。
経審の総合評定値、いわゆるP点は、経営規模、経営状況、技術力、社会性等など複数の項目から算出されます。
完成工事高は、そのうち経営規模に関係する項目です。
また、元請完成工事高は、技術力に関係する項目として関係する場合があります。
そのため、完成工事高を見るときは、単に総額だけを見るのではなく、
・どの業種の完成工事高か
・元請工事か下請工事か
・経審を受ける業種と合っているか
・工事経歴書と整合しているか
を確認することが大切です。
工事経歴書とは
工事経歴書とは、建設業者が行った工事の内容を記載する書類です。
建設業許可を受けている建設業者は、毎事業年度終了後、決算変更届を提出する必要があります。
その決算変更届の中で、工事経歴書を作成します。
工事経歴書には、主に次のような内容を記載します。
・工事名
・工事場所
・注文者
・元請または下請の区分
・工事の内容
・請負代金の額
・工期
・配置技術者など
経審を受ける場合、この工事経歴書の内容が完成工事高の整理と関係します。
決算変更届については、別記事「建設業許可の決算変更届とは?提出期限や必要書類をわかりやすく解説」でも詳しく解説しています。
経審を受ける場合は工事経歴書の整理が重要です
経審を受ける場合、工事経歴書の整理はとても重要です。
工事経歴書に記載された工事の内容や金額が、完成工事高の確認にも関係するためです。
特に注意したいのは、どの工事をどの業種に分類するかです。
建設業の工事は、工事名だけで業種が決まるわけではありません。
実際の工事内容を確認し、取得している建設業許可の業種や経審を受ける業種と照らし合わせて整理する必要があります。
たとえば、「改修工事」「設備工事」「外構工事」といった名称だけでは、どの業種に該当するか判断しにくい場合があります。
その場合は、工事内容、請負契約の内容、施工した工種などを確認して整理することが大切です。
業種ごとの完成工事高を確認する
経審では、業種ごとの完成工事高が重要になります。
建設業許可を複数業種で取得している場合でも、公共工事への入札を目指す業種と、経審を受ける業種が合っていなければ、入札参加資格申請に影響する可能性があります。
たとえば、電気工事で公共工事への入札を考えている場合は、電気工事の完成工事高や技術職員の状況が重要になります。
管工事で入札参加資格申請をしたい場合は、管工事として整理される完成工事高を確認する必要があります。
このように、経審では「会社全体の売上」だけでなく、「業種ごとの完成工事高」を確認することが大切です。
元請完成工事高とは
経審では、完成工事高だけでなく、元請完成工事高も確認されます。
元請完成工事高とは、発注者から直接請け負った工事、つまり元請工事として完成させた工事の金額をいいます。
下請工事の完成工事高とは区別して整理する必要があります。
元請完成工事高は、経審の技術力に関係する項目として評価に関係する場合があります。
そのため、工事経歴書を作成するときは、元請工事なのか下請工事なのかを正しく整理しておくことが重要です。
元請・下請の区分を誤ると、経審の確認に影響する可能性があります。
工事経歴書では元請・下請の区分に注意する
工事経歴書では、元請工事と下請工事の区分を明確にする必要があります。
元請工事とは、発注者から直接請け負った工事です。
下請工事とは、元請業者などから請け負った工事です。
公共工事への入札を考える場合、元請完成工事高が評価に関係することもあるため、元請・下請の区分は重要です。
また、同じ工事内容であっても、元請として施工したのか、下請として施工したのかによって、経審上の整理が変わる場合があります。
工事経歴書を作成する際は、契約書、注文書、請書、請求書などを確認し、元請・下請の区分を整理しておきましょう。
完成工事高と未成工事は区別する
完成工事高は、完成した工事の金額です。
そのため、事業年度末時点でまだ完成していない工事、いわゆる未成工事とは区別して考える必要があります。
経審や決算変更届では、完成工事と未成工事の整理が重要になります。
完成していない工事を完成工事高に含めてしまうと、財務諸表や工事経歴書との整合性に問題が生じる可能性があります。
工期が年度をまたぐ工事がある場合は、その工事がどの事業年度の完成工事になるのかを確認する必要があります。
完成工事高を整理する際は、工事の完成時期と会計処理を確認しておきましょう。
税込・税抜の確認にも注意する
完成工事高を確認する際は、金額が税込なのか税抜なのかにも注意が必要です。
経審や決算変更届では、会社の会計処理や消費税の課税状況によって、金額の取扱いを確認する必要があります。
税込・税抜の整理が不十分だと、工事経歴書、財務諸表、完成工事高の金額にズレが生じる可能性があります。
特に、免税事業者から課税事業者に変わった場合や、インボイス制度への対応が関係する場合は、税理士等とも確認しながら整理することが大切です。
行政書士が作成をサポートする場合でも、税務上の処理については税理士等へ確認が必要になる場合があります。
業種の振り分けに注意する
完成工事高でよく問題になるのが、業種の振り分けです。
建設業許可には29業種があり、工事内容によって該当する業種が異なります。
たとえば、建築一式工事、内装仕上工事、大工工事、電気工事、管工事、機械器具設置工事など、工事内容によって整理が必要です。
工事名だけを見ると一見分かりやすそうでも、実際の内容を確認すると別の業種に整理すべき場合があります。
また、複数の工種を含む工事では、主たる工事が何か、附帯工事として整理できるかなどの確認も必要になる場合があります。
業種の振り分けを誤ると、経審を受けたい業種の完成工事高に正しく反映されない可能性があります。
建設業許可の種類については、別記事「建設業許可の種類とは?大臣許可・知事許可、一般建設業・特定建設業の違い」でも解説しています。
経審を受ける業種を事前に決めておく
経審を受ける場合は、どの業種で経審を受けるのかを事前に整理しておくことが大切です。
公共工事への入札参加資格申請を予定している場合は、入札参加を希望する工種や発注機関の申請区分も確認する必要があります。
経審を受ける業種と、入札参加資格申請で希望する業種がずれていると、予定していた入札参加に支障が出る可能性があります。
たとえば、太田市、伊勢崎市、桐生市、みどり市、足利市、群馬県、国の機関など、どの発注機関へ申請するかによって、受付時期や申請内容が異なります。
経審の完成工事高を整理するときは、入札参加資格申請まで見据えて確認することが重要です。
入札参加資格申請については、別記事「入札参加資格申請とは?公共工事を受注するために必要な手続きをわかりやすく解説」でも解説しています。
完成工事高の平均年数にも注意する
経審では、完成工事高について、一定期間の平均で評価される場合があります。
一般的には、直前2年平均または直前3年平均など、申請内容に応じた取扱いを確認する必要があります。
どちらを選択するかによって、業種ごとの完成工事高の見え方が変わることがあります。
ただし、完成工事高の平均年数の選択は、会社の状況や申請業種によって影響が異なります。
単純にどちらが有利と断定できるものではありません。
経審を受ける際は、過去の工事実績や申請業種、入札参加資格申請の予定を踏まえて確認することが大切です。
完成工事高が少ない業種はどう考えるか
経審を受けたい業種があっても、その業種の完成工事高が少ない場合があります。
この場合、経審の点数や入札参加資格申請に影響する可能性があります。
ただし、完成工事高が少ないからといって、必ず経審を受けられないというわけではありません。
会社の状況、許可業種、技術職員、発注機関の申請区分などを確認しながら判断する必要があります。
公共工事への入札を考えている場合は、今後どの業種で実績を積むのかも含めて検討することが大切です。
経審で点数を上げるために見直したいポイントについては、別記事「経審で点数を上げるには?見直したい主なポイントを解説」でも解説しています。
工事経歴書と財務諸表の整合性を確認する
経審の準備では、工事経歴書と財務諸表の整合性も確認が必要です。
完成工事高は、財務諸表の売上高や完成工事高と関係します。
工事経歴書に記載した金額と、財務諸表に記載された完成工事高との整合性が取れていないと、確認や補正が必要になる場合があります。
また、兼業売上がある場合は、建設業の完成工事高とその他の売上を区別する必要があります。
建設業以外の売上がある会社では、完成工事高と兼業事業売上高を整理しておくことが大切です。
この部分は会計処理にも関係するため、必要に応じて税理士等と確認しながら進めましょう。
工事経歴書の記載順にも注意する
経審を受ける場合、工事経歴書の記載方法や記載順にも注意が必要です。
経審を受けない場合の工事経歴書と、経審を受ける場合の工事経歴書では、確認されるポイントが異なることがあります。
経審では、元請工事や完成工事高の一定割合に関係する記載が求められる場合があります。
そのため、単に任意の順番で工事を並べればよいというわけではありません。
実際の記載方法は、最新のしおりや様式、許可行政庁の案内を確認する必要があります。
申請前には、経審を受ける業種ごとに、工事経歴書の記載内容と完成工事高が合っているか確認しておきましょう。
完成工事高に関するよくある不備
完成工事高に関する不備としては、次のようなものがあります。
・工事経歴書と完成工事高の金額が合っていない
・業種の振り分けが不十分
・元請・下請の区分が整理されていない
・未成工事を完成工事高に含めている
・税込・税抜の整理が不十分
・兼業売上と完成工事高の区分が不明確
・経審を受ける業種と工事経歴書の内容が合っていない
・入札参加資格申請で希望する業種との整合性を確認していない
こうした不備があると、経審申請時に補正や追加確認が必要になることがあります。
経審でよくある不備については、別記事「経審でよくある不備とは?申請前に確認したいポイント」でも解説しています。
経審結果通知書で完成工事高を確認する
経審を受けた後は、経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書を確認しましょう。
経審結果通知書では、業種ごとの総合評定値、いわゆるP点や、評価項目を確認することができます。
完成工事高がどのように反映されているか、前回の結果と比べてどのように変化しているかを確認することが大切です。
特に、複数業種で経審を受けている場合は、業種ごとの点数や完成工事高の変化を確認しておきましょう。
経審結果通知書の見方については、別記事「経審結果通知書の見方とは?確認したい主な項目を解説」でも解説しています。
群馬県太田市・伊勢崎市・桐生市・みどり市・足利市周辺の建設業者様へ
群馬県太田市を中心に、伊勢崎市・桐生市・みどり市・栃木県足利市周辺で経営事項審査を予定している建設業者様にとって、完成工事高の整理は重要な準備の一つです。
特に、
・どの業種で経審を受けるか迷っている
・工事経歴書の業種区分に不安がある
・元請完成工事高の整理が分からない
・入札参加資格申請を見据えて完成工事高を確認したい
・決算変更届から経審まで一体で整理したい
という場合は、早めに確認しておくことをおすすめします。
完成工事高は、経審の点数や入札参加資格申請にも関係する重要な項目です。
決算変更届の段階から、経審や入札参加資格申請を見据えて、工事経歴書と完成工事高を整理しておきましょう。
まとめ
経審の完成工事高は、業種ごとの評価や点数に関係する重要な項目です。
完成工事高を確認する際は、会社全体の売上だけでなく、どの業種の完成工事高なのか、元請工事なのか下請工事なのか、工事経歴書や財務諸表と整合しているかを確認する必要があります。
特に、複数業種で建設業許可を取得している場合や、公共工事への入札参加資格申請を予定している場合は、経審を受ける業種と完成工事高の整理が重要です。
工事経歴書、決算変更届、経営状況分析、経審申請、入札参加資格申請までを一連の流れとして確認しておきましょう。
群馬県太田市・伊勢崎市・桐生市・みどり市・足利市周辺で経審を予定している建設業者様は、申請前に完成工事高と工事経歴書の内容を早めに確認しておくことが大切です。
経審の完成工事高・工事経歴書のご相談は行政書士おおうち事務所へ
行政書士おおうち事務所では、群馬県太田市を中心に、伊勢崎市・桐生市・みどり市・栃木県足利市周辺の建設業者様から、経営事項審査、決算変更届、経営状況分析、入札参加資格申請に関するご相談をお受けしています。
経審の完成工事高は、工事経歴書、業種別の整理、元請完成工事高、財務諸表との整合性など、確認すべき点が多い項目です。
経営事項審査のサポート内容については、固定ページ「経営事項審査・経審」でもご案内しています。
入札参加資格申請のサポート内容については、固定ページ「入札参加資格申請」でもご案内しています。
経営事項審査の完成工事高や工事経歴書の整理でお困りの建設業者様は、行政書士おおうち事務所へご相談ください。
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