公共工事への入札を検討している建設業者様にとって、経営事項審査、いわゆる「経審」の点数は重要な関心事です。
経審の結果として算出される総合評定値、いわゆるP点は、入札参加資格申請や格付けに関係することがあります。
そのため、
・経審の点数を少しでも上げたい
・次回の経審に向けて何を見直せばよいのか知りたい
・技術職員や完成工事高がどのように関係するのか確認したい
・経審の結果通知書を見ても、どこを改善すればよいのか分からない
といったご相談をいただくことがあります。
ただし、経審の点数は、単純に一つの項目だけで決まるものではありません。
完成工事高、自己資本額、利益額、経営状況、技術職員数、社会保険の加入状況、建設業退職金共済制度、法定外労災、建設機械の保有状況など、複数の項目が関係します。
また、会社の状況によって見直すべきポイントは異なります。
この記事では、群馬県太田市を中心に、伊勢崎市・桐生市・みどり市・栃木県足利市周辺で経営事項審査を検討している建設業者様向けに、経審で点数を意識する際に見直したい主なポイントを分かりやすく解説します。
なお、経審の点数は会社の状況や申請内容によって変わるため、この記事は「必ず点数が上がる方法」を示すものではありません。実際の申請では、最新の手引きや許可行政庁の案内を確認することが大切です。
- 経審の点数は複数の項目から決まります
- まずは経審結果通知書を確認する
- 1. 完成工事高の整理を見直す
- 2. どの業種で経審を受けるか確認する
- 3. 技術職員の資格・常勤性を確認する
- 4. 経営状況分析に関係する財務内容を確認する
- 5. 社会保険への加入状況を確認する
- 6. 建設業退職金共済制度などの加入状況を確認する
- 7. 建設機械の保有状況を確認する
- 8. ISO認証や防災協定などの社会性等を確認する
- 9. 確認資料の不足を防ぐ
- 10. 入札参加資格申請まで見据えて点数を確認する
- 経審の点数は短期対策と長期対策を分けて考える
- 点数アップを断定しすぎないことも大切です
- 群馬県太田市・伊勢崎市・桐生市・みどり市・足利市周辺の建設業者様へ
- まとめ
- 経審の点数・申請準備に関するご相談は行政書士おおうち事務所へ
経審の点数は複数の項目から決まります
経営事項審査では、建設業者の経営規模、経営状況、技術力、社会性等などが審査されます。
その結果として、業種ごとに総合評定値であるP点が算出されます。
経審の点数を考えるときは、単にP点だけを見るのではなく、どの項目が点数に影響しているのかを確認することが大切です。
主な項目としては、次のようなものがあります。
・完成工事高
・自己資本額、利益額
・経営状況分析の結果
・技術職員数、技術者の資格
・元請完成工事高
・社会保険や各種制度への加入状況
・建設業退職金共済制度
・法定外労働災害補償制度
・建設機械の保有状況
・ISO認証などの社会性等の項目
経審の点数の基本については、別記事「経審の点数とは?P点・Y点・Z点・W点をわかりやすく解説」でも解説しています。
まずは経審結果通知書を確認する
経審の点数を見直したい場合、まず確認したいのが、経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書です。
この通知書には、業種ごとの総合評定値などが記載されています。
まずは、次の点を確認します。
・どの業種で経審を受けているか
・各業種のP点が何点か
・完成工事高がどのように反映されているか
・技術職員がどの業種に配置されているか
・社会性等の項目がどの程度反映されているか
・前回の経審結果と比べて変化があるか
点数を上げたいと考える場合でも、どの項目が弱いのかが分からなければ、見直しの方向性を決めることができません。
そのため、まずは経審結果通知書をもとに、現在の状況を確認することが大切です。
1. 完成工事高の整理を見直す
経審の点数に関係する大きな項目の一つが、完成工事高です。
完成工事高は、経審を受ける業種ごとの工事実績に関係します。
たとえば、土木一式工事、建築一式工事、電気工事、管工事、内装仕上工事など、どの業種で経審を受けるのかによって、確認すべき完成工事高は異なります。
ここで注意したいのは、単に売上があるかどうかではなく、工事の内容をどの業種に整理するかです。
工事経歴書の作成段階で、工事内容と業種の整理が不十分だと、本来確認すべき完成工事高が適切に反映されない可能性があります。
経審を予定している場合は、決算変更届の工事経歴書を作成する段階から、経審で受ける業種を意識して整理することが大切です。
決算変更届については、別記事「建設業許可の決算変更届とは?提出期限や必要書類をわかりやすく解説」でも詳しく解説しています。
2. どの業種で経審を受けるか確認する
建設業許可を複数業種で取得している場合、どの業種で経審を受けるかも重要です。
公共工事への入札を予定している業種と、経審を受ける業種が合っていなければ、入札参加資格申請に影響することがあります。
また、完成工事高や技術職員の状況によっては、業種ごとの点数に差が出ることもあります。
そのため、経審を受ける前に、
・どの発注機関の入札に参加したいのか
・どの工種で入札参加資格申請をしたいのか
・その工種に対応する建設業許可業種は何か
・完成工事高や技術職員がどの業種に関係するのか
を整理しておくことが大切です。
経審は、単に受ければよいというものではなく、入札参加資格申請まで見据えて準備することが重要です。
3. 技術職員の資格・常勤性を確認する
経審では、技術職員の状況も点数に関係します。
技術職員の人数や資格は、技術力に関する評価項目に影響します。
たとえば、施工管理技士、建築士、電気工事士など、建設業の業種に応じた資格が関係する場合があります。
ただし、資格を持っている人がいるだけで、必ず経審上の技術職員として評価されるとは限りません。
経審で技術職員として評価を受けるためには、資格や実務経験の内容だけでなく、常勤性や雇用関係などを確認する資料が必要になる場合があります。
そのため、次の点を確認しておきましょう。
・技術職員名簿に記載する職員の資格
・資格証や合格証明書の有無
・実務経験で確認する場合の資料
・健康保険、厚生年金保険などの加入状況
・雇用関係や常勤性を確認できる資料
・技術職員がどの業種で評価されるか
技術職員に関する資料は、申請直前に慌てて集めると時間がかかることがあります。
経審を予定している場合は、早い段階で技術職員の資格証や雇用関係の資料を確認しておくことをおすすめします。
4. 経営状況分析に関係する財務内容を確認する
経審では、経営状況分析の結果も点数に関係します。
経営状況分析では、建設業者の財務内容をもとに、経営状況が数値化されます。
この部分は、一般にY点と呼ばれる項目に関係します。
経営状況分析には、財務諸表の内容が関係します。
税務申告用の決算書と、建設業法上の財務諸表では、表示方法や作成の考え方が異なる部分があります。
そのため、経審を受ける場合には、建設業法上の財務諸表を適切に作成し、経営状況分析に進めるよう準備することが大切です。
ただし、財務内容は短期間で大きく改善できるものばかりではありません。
自己資本、利益、負債、収益性などは、日々の経営の積み重ねが反映されます。
短期的には、財務諸表の作成内容に誤りがないか、必要な資料が整っているかを確認することが重要です。
長期的には、税理士等とも相談しながら、財務内容の改善や資金計画を検討していくことが大切です。
5. 社会保険への加入状況を確認する
経審では、社会保険への加入状況も重要です。
健康保険、厚生年金保険、雇用保険などについて、適切に加入しているかが確認されます。
建設業許可や経審では、社会保険への適切な加入が重要な確認事項となっています。
未加入や確認資料の不足があると、経審の評価や手続きに影響する可能性があります。
経審を予定している場合は、次の点を確認しておきましょう。
・健康保険に適切に加入しているか
・厚生年金保険に適切に加入しているか
・雇用保険に適切に加入しているか
・加入状況を確認できる資料があるか
・会社の状況に応じて加入義務の有無を確認しているか
社会保険については、会社の形態や従業員の状況によって取扱いが異なる場合があります。
必要に応じて、社会保険労務士などの専門家に確認することも大切です。
6. 建設業退職金共済制度などの加入状況を確認する
経審では、社会性等に関する項目として、建設業退職金共済制度や退職一時金制度、法定外労働災害補償制度などが関係する場合があります。
これらの制度は、加入しているかどうかだけでなく、経審上の確認資料を準備できるかも重要です。
たとえば、
・建設業退職金共済制度の加入、履行状況
・退職一時金制度の有無
・法定外労働災害補償制度の加入状況
・確認資料の有効期間
・対象となる従業員や制度内容
などを確認する必要があります。
ただし、制度に加入すれば必ず点数が上がる、という単純なものではありません。
会社の状況や制度内容、経審上の評価対象になるかどうかを確認したうえで判断することが大切です。
7. 建設機械の保有状況を確認する
経審では、建設機械の保有状況が社会性等の項目に関係する場合があります。
対象となる建設機械を保有している場合でも、経審上の確認資料が必要になります。
たとえば、
・対象となる建設機械かどうか
・所有またはリースの状況
・検査記録や車検証などの資料
・使用状況を確認できる資料
・申請時点での有効性
などを確認する必要があります。
建設機械を保有していても、資料が不足していると評価に反映できない場合があります。
経審で評価を受けたい場合は、早めに対象機械や確認資料を整理しておきましょう。
8. ISO認証や防災協定などの社会性等を確認する
経審では、ISO認証、防災協定、法令遵守、建設業経理、若年技術者・女性技術者に関する項目など、社会性等に関する項目が評価に関係する場合があります。
ただし、これらの項目は、すべての会社が該当するものではありません。
また、評価を受けるには、認証書や協定書などの確認資料が必要になる場合があります。
社会性等の項目は、普段の会社の体制整備や制度加入が関係することも多いため、経審直前に確認するだけでは間に合わないことがあります。
次回以降の経審を見据えて、どの項目が自社に関係するのかを確認しておくことが大切です。
9. 確認資料の不足を防ぐ
経審で点数を意識する場合、意外と重要なのが確認資料です。
制度に加入している、資格者がいる、建設機械を持っている、といった場合でも、経審上必要な資料がそろっていなければ、評価に反映できない可能性があります。
よく確認したい資料としては、次のようなものがあります。
・資格証、合格証明書
・技術職員の常勤性を確認する資料
・健康保険、厚生年金保険、雇用保険に関する資料
・建設業退職金共済制度に関する資料
・法定外労働災害補償制度に関する資料
・建設機械に関する資料
・ISO認証書
・防災協定に関する資料
・財務諸表や税務申告書関係資料
点数に関係しそうな項目があっても、確認資料が不足していると、補正や確認に時間がかかることがあります。
経審を予定している場合は、申請直前ではなく、決算変更届や経営状況分析の準備段階から資料を整理しておくことが大切です。
経営事項審査に必要な書類については、別記事「経営事項審査に必要な書類とは?準備しておきたい主な資料を解説」でも解説しています。
10. 入札参加資格申請まで見据えて点数を確認する
経審の点数は、公共工事の入札参加資格申請にも関係します。
発注機関によっては、経審の総合評定値や主観点、工事実績などをもとに格付けが行われることがあります。
ただし、経審の点数だけで入札参加資格や格付けのすべてが決まるわけではありません。
発注機関ごとに審査基準、受付時期、必要書類、格付けの考え方が異なります。
そのため、経審で点数を意識する場合は、単にP点だけを見るのではなく、
・どの発注機関へ申請するのか
・どの工種で入札参加資格申請をするのか
・その発注機関の受付時期はいつか
・経審結果の有効期間は足りているか
・必要な書類や実績はそろっているか
を確認しておくことが大切です。
入札参加資格申請については、別記事「入札参加資格申請とは?公共工事を受注するために必要な手続きをわかりやすく解説」でも解説しています。
経審の点数は短期対策と長期対策を分けて考える
経審の点数を見直す場合、短期的に確認できることと、長期的に取り組むべきことを分けて考える必要があります。
短期的に確認しやすいものとしては、次のようなものがあります。
・申請する業種の整理
・工事経歴書や完成工事高の確認
・技術職員の資格証や常勤性資料の確認
・社会保険や各種制度の確認資料
・建設機械やISO認証などの確認資料
・経審結果通知書の項目確認
一方で、長期的に取り組む必要があるものとしては、次のようなものがあります。
・技術職員の確保
・資格取得の支援
・財務内容の改善
・自己資本の充実
・利益率の改善
・制度加入や会社体制の整備
・公共工事を見据えた実績づくり
経審の点数は、毎年の手続きだけでなく、会社の経営体制や人材育成とも関係します。
そのため、次回の経審だけでなく、数年先の公共工事への参加も見据えて準備することが大切です。
点数アップを断定しすぎないことも大切です
経審の点数については、「これをすれば必ず点数が上がる」と断定することはできません。
同じ対策をしても、会社の規模、工事実績、財務状況、技術職員、加入制度、申請業種などによって結果は異なります。
また、制度改正や評価基準の変更によって、評価のされ方が変わることもあります。
そのため、経審の点数を意識する場合は、
・現在の経審結果を確認する
・会社の状況を整理する
・評価される可能性のある項目を確認する
・確認資料を整える
・入札参加資格申請までの流れを確認する
という順番で進めることが大切です。
群馬県太田市・伊勢崎市・桐生市・みどり市・足利市周辺の建設業者様へ
群馬県太田市を中心に、伊勢崎市・桐生市・みどり市・栃木県足利市周辺で公共工事への入札を検討している建設業者様にとって、経審の点数は重要な確認ポイントです。
特に、
・初めて経審を受ける
・次回の経審で点数を確認したい
・入札参加資格申請を予定している
・技術職員や工事経歴の整理に不安がある
・経審結果通知書の見方が分からない
という場合は、早めに全体の流れを確認しておくことが大切です。
経審は、決算変更届、経営状況分析、経審申請、結果通知、入札参加資格申請までつながる手続きです。
点数だけを見るのではなく、公共工事への入札参加を見据えて、必要書類やスケジュールを整理しておきましょう。
まとめ
経審で点数を上げたいと考える場合は、まず現在の経審結果を確認し、どの項目が点数に影響しているのかを把握することが大切です。
経審の点数には、完成工事高、自己資本額、利益額、経営状況分析、技術職員、社会保険、建設業退職金共済制度、法定外労災、建設機械、ISO認証など、複数の項目が関係します。
ただし、すべての項目がすべての会社に当てはまるわけではありません。
また、点数が必ず上がると断定できるものでもありません。
短期的には、工事経歴書、技術職員、確認資料、申請業種などを見直し、長期的には、技術職員の確保、資格取得、財務内容の改善、会社体制の整備などを検討していくことが大切です。
群馬県太田市・伊勢崎市・桐生市・みどり市・足利市周辺で経審を検討している建設業者様は、経審の点数だけでなく、入札参加資格申請までの流れを含めて、早めに準備を進めましょう。
経営事項審査を受ける流れについては、別記事「経営事項審査を受ける流れ|決算変更届から入札参加資格申請まで」でも解説しています。
経審の点数・申請準備に関するご相談は行政書士おおうち事務所へ
行政書士おおうち事務所では、群馬県太田市を中心に、伊勢崎市・桐生市・みどり市・栃木県足利市周辺の建設業者様から、経営事項審査、決算変更届、経営状況分析、入札参加資格申請に関するご相談をお受けしています。
経審の点数は、完成工事高、技術職員、財務内容、社会性等の項目、確認資料など、複数の要素が関係します。
経審の点数の見方や申請準備でお困りの建設業者様は、行政書士おおうち事務所へご相談ください。
経営事項審査のサポート内容については、固定ページ「経営事項審査・経審」でもご案内しています。
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