経審の建退共とは?加入状況と確認資料のポイント

経営事項審査

経営事項審査、いわゆる「経審」では、完成工事高、経営状況分析、技術職員だけでなく、社会性等に関する項目も評価の対象になります。

その社会性等に関係する項目の一つが、建設業退職金共済制度、いわゆる「建退共」です。

経審を受ける建設業者様の中には、

・建退共とはどのような制度なのか
・建退共に加入していれば経審で評価されるのか
・建退共の加入・履行証明書とは何か
・どのような確認資料が必要になるのか
・証紙方式や電子申請方式の場合に何を確認すればよいのか
・建退共の証明書が間に合わない場合はどうなるのか

といった疑問を持つ方も少なくありません。

建退共は、経審のW点、つまり社会性等に関係する項目です。

ただし、建退共に加入しているだけで、必ず経審上評価されるとは限りません。

経審で評価を受けるためには、建退共制度に加入していることに加えて、適切に履行していることを確認できる資料が重要になります。

特に、経営事項審査用の「建設業退職金共済事業加入・履行証明書」は、建退共の評価を受けるうえで重要な資料です。

この記事では、群馬県太田市を中心に、伊勢崎市・桐生市・みどり市・栃木県足利市周辺で経営事項審査を検討している建設業者様向けに、経審の建退共と加入状況・確認資料のポイントを分かりやすく解説します。

建退共とは

建退共とは、建設業退職金共済制度の略称です。

建設業で働く労働者のための退職金制度で、建設業の現場で働く方が、複数の事業主のもとで働くことを想定した制度です。

建設業では、現場ごとに働く場所や元請・下請関係が変わることがあります。

そのような業界の特徴に合わせ、事業主が掛金を納付し、労働者が建設業界で働くことをやめたときに退職金が支払われる仕組みです。

経審では、この建退共制度への加入状況や履行状況が、社会性等の項目として確認される場合があります。

建退共は、単なる福利厚生制度というだけでなく、公共工事への入札を検討する建設業者様にとって、経審上も確認しておきたい制度の一つです。

建退共はW点に関係します

経審では、建設業者の経営規模、経営状況、技術力、社会性等などが評価されます。

このうち、社会性等に関係する項目が、一般的にW点と呼ばれます。

建退共は、このW点に関係する項目の一つです。

W点には、社会保険、建退共、法定外労災、防災協定、建設機械、ISO認証など、会社の体制や社会的な取組みに関係する項目が含まれます。

ただし、W点だけで経審全体の点数が決まるわけではありません。

経審の総合評定値、いわゆるP点は、完成工事高、経営状況分析、技術職員、社会性等などを総合して算出されます。

そのため、建退共は重要な確認項目ですが、経審全体の中の一つの要素として考えることが大切です。

経審の社会性等については、別記事「経審の社会性等とは?W点に関係する主な項目を解説」でも解説しています。

建退共に加入していれば必ず評価されるわけではありません

建退共について注意したいのは、「加入しているだけで必ず経審で評価される」とは限らない点です。

経審で建退共の評価を受けるためには、建退共制度に加入していることに加え、制度を適切に履行していることを確認できる資料が必要になります。

具体的には、建退共の各都道府県支部が発行する「建設業退職金共済事業加入・履行証明書」が重要です。

この証明書が発行されない場合や、申請時に提出できない場合は、経審で建退共の評価を受けられない可能性があります。

建退共に加入していても、

・共済手帳の管理が不十分
・証紙の購入や貼付、充当状況が確認できない
・電子申請方式の掛金納付状況が整理されていない
・下請への交付状況や報告書類が不足している
・加入・履行証明書の発行基準を満たしていない

といった場合には、確認に時間がかかることがあります。

経審で評価を受けたい場合は、建退共制度への加入だけでなく、日ごろの履行状況と資料管理が重要です。

建設業退職金共済事業加入・履行証明書とは

建設業退職金共済事業加入・履行証明書とは、建退共制度に加入し、適切に履行していることを確認するための証明書です。

経審で建退共制度の評価を受ける場合、この加入・履行証明書が必要になります。

この証明書は、建退共の各都道府県支部が発行します。

申請すれば必ず発行されるというものではなく、加入状況や履行状況、提出書類などを確認したうえで発行されます。

そのため、経審の申請直前になってから準備しようとすると、証明書の取得が間に合わない場合があります。

公共工事への入札参加資格申請を予定している場合は、経審結果通知書の取得時期にも関係するため、建退共の加入・履行証明書は早めに確認しておきましょう。

加入・履行証明書の取得には時間がかかる場合があります

建退共の加入・履行証明書は、申請後すぐに発行されるとは限りません。

提出書類の確認や、証紙の購入・貼付状況、電子申請方式での納付・充当状況、共済手帳の更新状況などの確認が必要になる場合があります。

書類に不足や不整合があると、追加資料の提出や確認に時間がかかることがあります。

また、経審の申請時期が集中する時期には、証明書の発行まで時間がかかる可能性もあります。

そのため、経審を予定している建設業者様は、決算変更届や経営状況分析の準備とあわせて、建退共の加入・履行証明書の取得時期も確認しておくことが大切です。

群馬県のしおりでは、建退共履行証明書を後日提出する場合の取扱いが案内されることもありますが、利用できる条件や記載方法、連絡の要否などは最新の案内確認が必要です。

建退共の確認資料

建退共の加入・履行証明書を取得する際には、会社の状況や申請方式に応じて、さまざまな資料が必要になる場合があります。

主な確認資料としては、次のようなものがあります。

・建設業退職金共済契約者証
・建設業退職金共済手帳
・共済手帳受払簿
・共済証紙受払簿
・共済証紙の購入状況を確認できる資料
・証紙貼付状況を確認できる資料
・建退共制度に係る被共済者就労状況報告書
・建設業退職金共済証紙受領書
・電子申請方式による掛金納付・充当状況を確認できる資料
・下請への証紙交付や充当状況を確認できる資料
・その他、建退共支部から求められる資料

ただし、必要な資料は、証紙方式か電子申請方式か、元請工事があるか、下請工事が中心か、対象労働者がいるかなどによって変わる場合があります。

実際に申請する際は、建退共本部や都道府県支部の最新案内を確認しましょう。

証紙方式の場合の注意点

建退共では、証紙方式で掛金を納付している場合があります。

証紙方式の場合、共済証紙の購入、交付、貼付、受払簿の管理などが重要になります。

経審で評価を受ける場合は、単に証紙を購入しているだけでなく、対象労働者の就労状況に応じて適切に貼付・管理されているかが確認されることがあります。

証紙方式で注意したい点としては、次のようなものがあります。

・共済証紙を購入しているか
・共済手帳へ適切に貼付しているか
・共済手帳受払簿を管理しているか
・共済証紙受払簿を管理しているか
・下請に証紙を交付した場合、その受領を確認できるか
・証紙の残数や購入状況に不自然な点がないか
・共済手帳の更新が必要な場合に手続きしているか

共済手帳の更新や証紙貼付の管理が不足していると、加入・履行証明書の取得に影響する可能性があります。

日ごろから、現場ごとの就労状況や証紙管理を整理しておくことが大切です。

電子申請方式の場合の注意点

建退共では、電子申請方式による掛金納付を利用している場合もあります。

電子申請方式の場合、紙の証紙とは異なり、電子的に掛金を納付・充当する仕組みになります。

この場合も、経審で建退共の評価を受けるためには、掛金の納付状況や充当状況を確認できる資料が重要です。

電子申請方式で注意したい点としては、次のようなものがあります。

・電子申請方式の利用状況を確認できるか
・対象労働者への掛金充当状況を確認できるか
・建設業退職金共済掛金納付・充当状況証明書などを確認できるか
・入力内容と実際の就労状況に不整合がないか
・証紙方式と電子申請方式が混在している場合に整理できているか

電子申請方式を利用している場合でも、資料管理が不要になるわけではありません。

経審を予定している場合は、電子申請方式で必要となる確認資料を早めに確認しておきましょう。

元請工事がある場合の注意点

元請工事がある場合は、建退共の履行状況について、より丁寧な確認が必要になることがあります。

元請業者は、下請業者に対して共済証紙を交付したり、建退共制度の履行状況を確認したりする場面があります。

経審で建退共の加入・履行証明書を取得する際、元請工事に関する被共済者就労状況報告書や証紙受領書などが関係する場合があります。

特に、決算期間内で大きな元請工事がある場合は、その工事に関する建退共の履行状況を確認しておくことが大切です。

元請工事があるにもかかわらず、下請への証紙交付や就労状況報告の管理が不十分だと、証明書の発行に影響する可能性があります。

元請完成工事高については、別記事「経審の元請完成工事高とは?公共工事を目指す場合の確認ポイント」でも解説しています。

下請工事が中心の場合の注意点

下請工事が中心の建設業者様でも、建退共の確認は重要です。

下請として工事を行う場合、元請から共済証紙の交付を受けることがあります。

その場合、証紙の受領状況や共済手帳への貼付状況を整理しておく必要があります。

また、下請工事が中心であっても、自社で対象労働者を雇用している場合は、建退共制度の履行状況が関係することがあります。

下請工事が多い会社では、

・元請から証紙を受け取っているか
・受け取った証紙を適切に貼付しているか
・証紙受領書を保管しているか
・対象労働者の共済手帳を管理しているか

といった点を確認しておくとよいでしょう。

対象労働者の確認

建退共制度では、対象となる労働者の確認も重要です。

建設現場で働く労働者が対象となる制度ですが、会社の役員、事務職員、短時間勤務者、他の退職金制度との関係など、会社の状況によって確認が必要になる場合があります。

すべての従業員が同じように建退共の対象になるとは限りません。

また、中小企業退職金共済制度など、他の退職金制度に加入している場合には、経審上の取扱いや建退共との関係を確認する必要があります。

対象労働者の判断に不安がある場合は、建退共支部や社会保険労務士等へ確認することも大切です。

建退共と退職一時金制度の違い

経審の社会性等では、建退共制度のほかに、退職一時金制度や企業年金制度が関係することがあります。

建退共は、建設業に特化した退職金共済制度です。

一方、退職一時金制度は、会社が就業規則や退職金規程などに基づいて、従業員に退職金を支給する制度です。

これらは同じ「退職金」に関係する制度ですが、経審上の項目や確認資料が異なる場合があります。

建退共に加入しているのか、退職一時金制度を導入しているのか、両方に関係するのかを整理しておくことが大切です。

経審の社会性等では、制度の有無だけでなく、確認資料の有無や履行状況も重要になります。

建退共でよくある不備

建退共に関する不備としては、次のようなものがあります。

・加入しているが、加入・履行証明書を取得していない
・証紙の購入状況や貼付状況を確認できない
・共済手帳受払簿や証紙受払簿の管理が不十分
・共済手帳の更新がされていない
・下請への証紙交付や受領状況を確認できない
・電子申請方式の掛金納付・充当状況を確認できない
・対象労働者の整理が不十分
・元請工事に関する就労状況報告書が不足している
・証明書の取得が経審申請に間に合わない

こうした不備があると、建退共の評価を受けられない可能性や、経審申請の準備に影響する可能性があります。

経審でよくある不備については、別記事「経審でよくある不備とは?申請前に確認したいポイント」でも解説しています。

建退共履行証明書が間に合わない場合

経審の申請時に、建退共の加入・履行証明書がまだ発行されていない場合があります。

群馬県のしおりでは、建退共履行証明書を後日提出する場合の記載方法や取扱いが案内されることがあります。

ただし、後日提出の取扱いがある場合でも、必ず利用できるとは限りません。

記載漏れや連絡漏れがあると、後日の対応が難しくなる可能性があります。

また、建退共履行証明書が最終的に発行できない場合には、経審上の評価にも影響する可能性があります。

そのため、「後で出せばよい」と安易に考えるのではなく、経審申請前に建退共支部や群馬県の最新案内を確認し、早めに準備を進めることが大切です。

建退共を経審のためだけに考えない

経審の点数を意識して、建退共への加入や履行状況を確認する建設業者様もあります。

もちろん、建退共は経審のW点に関係する項目です。

しかし、建退共は本来、建設業で働く労働者の退職金制度です。

経審の点数だけを目的に考えるのではなく、現場で働く方の福利厚生や、会社としての労務管理、公共工事を受ける建設業者としての体制整備という観点からも確認することが大切です。

制度に加入する場合は、掛金の負担、対象労働者、証紙管理、電子申請方式、下請とのやり取りなど、継続的な運用も必要になります。

会社の実態に合った形で制度を運用できるかを確認しておきましょう。

経審結果通知書で確認すること

経審を受けた後は、経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書を確認しましょう。

経審結果通知書では、P点だけでなく、社会性等に関係する項目がどのように反映されているかを確認することができます。

建退共についても、申請内容が社会性等の評価に反映されているかを確認しておくと、次回の経審準備に役立ちます。

前回の結果と比較することで、W点の変化や、建退共以外の社会性等の項目との関係も確認しやすくなります。

経審結果通知書の見方については、別記事「経審結果通知書の見方とは?確認したい主な項目を解説」でも解説しています。

群馬県太田市・伊勢崎市・桐生市・みどり市・足利市周辺の建設業者様へ

群馬県太田市を中心に、伊勢崎市・桐生市・みどり市・栃木県足利市周辺で経営事項審査を予定している建設業者様にとって、建退共は申請前に確認しておきたい項目です。

特に、

・建退共が経審でどのように関係するか知りたい
・加入・履行証明書の取得方法が分からない
・証紙方式や電子申請方式の資料整理に不安がある
・元請工事や下請工事での建退共の扱いを確認したい
・W点を見直すために社会性等の資料を整理したい

という場合は、早めに確認しておくことをおすすめします。

建退共は、加入しているかどうかだけでなく、制度を適切に履行していることを確認できる資料が重要です。

決算変更届、経営状況分析、経審申請、入札参加資格申請までの流れを見据えて、余裕をもって準備を進めましょう。

まとめ

経審の建退共とは、建設業退職金共済制度のことで、経審の社会性等、いわゆるW点に関係する項目です。

建退共に加入している場合でも、経審で評価を受けるためには、建設業退職金共済事業加入・履行証明書などの確認資料が重要になります。

証紙方式の場合は、共済手帳、証紙受払簿、証紙貼付状況などの管理が必要になります。

電子申請方式の場合も、掛金納付・充当状況を確認できる資料が必要になる場合があります。

また、元請工事がある場合は、下請への証紙交付や被共済者就労状況報告書などが関係することがあります。

建退共の評価を受けたい場合は、申請直前に慌てるのではなく、日ごろから資料を整理し、加入・履行証明書の取得時期にも注意しましょう。

群馬県太田市・伊勢崎市・桐生市・みどり市・足利市周辺で経審を予定している建設業者様は、建退共の加入状況と確認資料を早めに確認しておくことが大切です。

経審の建退共・W点に関するご相談は行政書士おおうち事務所へ

行政書士おおうち事務所では、群馬県太田市を中心に、伊勢崎市・桐生市・みどり市・栃木県足利市周辺の建設業者様から、経営事項審査、決算変更届、建退共の確認資料、入札参加資格申請に関するご相談をお受けしています。

建退共は、加入状況、履行状況、加入・履行証明書、証紙方式や電子申請方式の資料整理など、確認すべき点が多い項目です。

経営事項審査のサポート内容については、固定ページ「経営事項審査・経審」でもご案内しています。

入札参加資格申請のサポート内容については、固定ページ「入札参加資格申請」でもご案内しています。

経営事項審査の建退共やW点、確認資料の整理でお困りの建設業者様は、行政書士おおうち事務所へご相談ください。

お問い合わせフォームまたはお電話からご連絡いただけます。

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