欠格要件に該当しないことは

建設業許可

建設業許可を取得するためには、いくつかの要件を満たす必要があります。

これまでの記事では、経営業務の管理体制、営業所技術者、財産的基礎、誠実性などについて解説してきました。

今回取り上げるのは、建設業許可の主な要件の一つである「欠格要件に該当しないこと」です。

欠格要件とは、一定の事情がある場合に、建設業許可を受けることができないとされる事由のことです。

少し強い表現に聞こえるかもしれませんが、建設業許可では、申請者や役員等が一定の事由に該当する場合、許可を受けることができません。

「過去に処分歴があると許可は取れないのか」
「役員の一人に事情がある場合、会社全体に影響するのか」
「破産したことがある場合はどうなるのか」
「刑罰を受けたことがあると必ず許可が取れないのか」
「虚偽申請をするとどうなるのか」

このような点は、自己判断が難しく、慎重な確認が必要です。

この記事では、建設業許可における欠格要件について、どのような場合に問題となるのか、誰が確認対象になるのか、申請前に注意したいポイントをわかりやすく解説します。

欠格要件とは

欠格要件とは、建設業許可を受けることができない一定の事由をいいます。

建設業許可では、経営体制や技術者、財産的基礎などの要件を満たしていても、欠格要件に該当している場合には許可を受けることができません。

国土交通省も、建設業の許可を受けるためには、建設業法第7条に規定する許可要件を備えることに加えて、建設業法第8条に規定する欠格要件に該当しないことが必要と案内しています。

つまり、欠格要件は、他の要件と同じく、許可申請の前に必ず確認すべき重要なポイントです。

欠格要件は誰について確認されるのか

欠格要件は、申請する会社や個人事業主だけを見ればよいわけではありません。

法人の場合は、会社そのものだけでなく、役員等についても確認されます。

また、支店長や営業所長など、建設業法施行令第3条に規定する使用人がいる場合には、その方も確認対象になります。

個人事業主の場合には、本人のほか、支配人を置いている場合には支配人も確認対象になります。

そのため、会社として申請する場合でも、代表者だけでなく、役員、一定の使用人などに欠格事由がないかを確認する必要があります。

「会社には問題がないから大丈夫」と考えるのではなく、誰が確認対象になるのかを整理することが大切です。

申請書や添付書類に虚偽がある場合

欠格要件でまず注意したいのが、申請書や添付書類に関する虚偽です。

建設業許可申請では、申請書や添付書類の中に、重要な事項について虚偽の記載がある場合や、重要な事実の記載が欠けている場合には、許可を受けることができません。

たとえば、次のようなことは避けなければなりません。

・実際には常勤していない人を常勤役員等として申請する
・実際には勤務していない資格者を営業所技術者として申請する
・経験していない工事を実務経験として記載する
・存在しない契約書や請求書を資料として用意する
・営業所としての実態がない場所を営業所として申請する
・過去の処分歴など重要な事項を隠す

建設業許可は、書類を整えればよいというものではありません。

実際の経営体制、勤務実態、技術者の状況、営業所の実態などに基づいて申請する必要があります。

「少しくらいなら大丈夫」と考えて事実と違う内容を記載すると、許可を受けられないだけでなく、許可取得後に問題が発覚した場合にも大きなリスクになります。

建設業許可の誠実性については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

破産者で復権を得ない場合

欠格要件の一つに、破産者で復権を得ない者があります。

破産手続をしたことがあるというだけで、直ちに建設業許可が取れないわけではありません。

問題となるのは、破産者であって、まだ復権を得ていない場合です。

復権していれば、通常はこの欠格要件には該当しません。

そのため、過去に破産手続をしたことがある場合は、いつ破産手続が行われたのか、復権しているのかを確認することが大切です。

過去の事情がある場合には、自己判断で進めず、申請前に確認しておくと安心です。

許可取消しを受けた場合

過去に建設業許可の取消処分を受けた場合も、欠格要件に関係することがあります。

たとえば、不正の手段で許可を受けたことなどにより許可を取り消された場合には、一定期間、建設業許可を受けることができないことがあります。

また、許可取消しを免れる目的で廃業届を提出した場合にも、欠格要件に関係することがあります。

ここで重要なのは、「取消し」や「廃業」の経緯です。

単に事業をやめた、許可を更新しなかったという場合と、不正行為や監督処分を避けるための廃業では、扱いが異なる場合があります。

過去に建設業許可を持っていた会社や役員が関係する場合は、過去の許可状況や処分歴を確認する必要があります。

営業停止・営業禁止を受けている場合

建設業法に基づき営業停止を命じられている場合や、営業禁止を受けている場合も、欠格要件に関係します。

営業停止や営業禁止は、建設業法違反や請負契約に関する不正・不誠実な行為などによって問題となることがあります。

このような処分を受けている期間中は、建設業許可の申請に影響します。

また、会社だけでなく、役員等が過去に関与していた会社で処分を受けている場合など、事実関係の整理が必要になるケースもあります。

処分歴がある場合には、いつ、どのような処分を受けたのか、その期間が終了しているのかを確認することが大切です。

一定の刑罰を受けた場合

欠格要件では、一定の刑罰を受けた場合も問題になります。

たとえば、禁錮以上の刑に処せられた場合や、建設業法など一定の法令に違反して罰金以上の刑に処せられた場合には、一定期間、建設業許可を受けられないことがあります。

ここで注意したいのは、すべての罰金が直ちに建設業許可の欠格要件になるわけではないという点です。

どの法律に違反したのか、どのような刑を受けたのか、刑の執行を終えた日や執行猶予との関係などを確認する必要があります。

建設業法、建築基準法、労働基準法、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律、刑法の一定の罪など、建設業許可に関係する法令違反については特に注意が必要です。

過去に刑罰を受けたことがある場合は、申請前に内容と時期を整理しておくことが重要です。

暴力団員等に該当する場合

建設業許可では、暴力団員等に該当する場合も欠格要件に関係します。

暴力団員である場合や、暴力団員でなくなった日から一定期間を経過していない場合などは、許可を受けることができないことがあります。

また、法人の場合には、役員等に該当者がいる場合にも問題になります。

役員等の体制については、経営業務の管理体制の記事も参考にしてください。

建設業許可は、公共性の高い工事や大きな請負契約にも関係するため、反社会的勢力の排除が厳しく求められています。

申請時には、誓約書などにより、欠格要件に該当しないことを確認することになります。

心身の故障により建設業を適正に営むことができない場合

欠格要件には、心身の故障により建設業を適正に営むことができない者として国土交通省令で定めるものに該当する場合も含まれます。

この点は、慎重な表現が必要です。

単に病気や障害があるというだけで、直ちに欠格要件に該当するわけではありません。

問題となるのは、建設業を適正に営むことができないものとして、法令上の要件に該当する場合です。

実際には、個別事情により判断が必要になるため、心配な事情がある場合は、申請前に確認することが大切です。

未成年者が申請する場合

営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者が申請する場合には、その法定代理人が欠格要件に該当していないかが問題になります。

通常の建設業許可申請では、未成年者が申請者になるケースは多くありません。

ただし、個人事業の承継など、特殊な事情がある場合には確認が必要になることがあります。

未成年者本人だけでなく、法定代理人の状況も確認される点に注意が必要です。

法人の場合は役員等の状況に注意

法人で建設業許可を申請する場合には、法人そのものだけでなく、役員等の状況が重要です。

代表取締役だけでなく、取締役、一定の相談役・顧問、実質的に経営に関与している人などが問題になる場合があります。

また、支店や営業所で建設工事の請負契約を締結する場合には、建設業法施行令第3条に規定する使用人も確認対象になります。

そのため、法人の申請では、役員構成や営業所体制を整理したうえで、欠格要件に該当する人がいないか確認することが大切です。

役員変更があった場合や、新たに支店長・営業所長を置く場合には、欠格要件に該当しないかを確認しておくと安心です。

欠格要件と誠実性の違い

欠格要件と似たものに、「誠実性」の要件があります。

どちらも、建設業者として適切に事業を行えるかを確認する点では関係があります。

ただし、欠格要件と誠実性は同じものではありません。

欠格要件は、法律上、一定の事由に該当すると許可を受けられないものです。

一方、誠実性は、請負契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかでないかを確認する要件です。

たとえば、虚偽申請、名義貸し、契約上の不正行為、過去の処分歴などは、欠格要件と誠実性の両方の観点から問題になることがあります。

そのため、どちらか一方だけを確認すればよいというものではありません。

許可取得後に欠格要件に該当した場合

欠格要件は、許可申請時だけ確認すればよいものではありません。

許可を取得した後に欠格要件に該当した場合にも、届出や許可取消しの問題が生じることがあります。

群馬県でも、建設業許可を取得した後の届出として、許可の欠格要件に該当したときの届出が案内されています。

たとえば、役員等が欠格要件に該当する状態になった場合には、許可の維持に影響する可能性があります。

建設業許可は取得して終わりではありません。

役員変更、営業所長の変更、処分歴、会社の状況に変化があった場合には、許可要件への影響を確認することが大切です。

欠格要件でよくあるご相談

行政書士おおうち事務所では、建設業許可の欠格要件について、次のようなご相談をいただくことがあります。

・過去に破産手続をしたことがあるが申請できるか確認したい
・役員に過去の処分歴がある場合の影響を知りたい
・過去に罰金を受けたことがあるが欠格要件に該当するか確認したい
・以前の会社で建設業許可の取消しがあった場合の影響を知りたい
・申請書にどこまで記載すべきか不安
・役員変更前に欠格要件を確認したい
・建設業許可取得後に欠格要件に該当した場合の対応を知りたい
・誠実性の要件との違いを整理したい

欠格要件は、申請の可否に直結する重要な部分です。

また、内容によっては非常にデリケートな事情を含むことがあります。

不安がある場合は、早めに事実関係を整理し、申請前に確認しておくことをおすすめします。

太田市周辺で建設業許可の欠格要件についてお困りの方へ

行政書士おおうち事務所では、群馬県太田市を中心に、桐生市、みどり市、栃木県足利市周辺の建設業者様から、建設業許可に関するご相談をお受けしています。

建設業許可の新規申請、更新申請、業種追加、各種変更届、決算変更届、経営事項審査、入札参加資格申請など、建設業許可に関連する手続きをサポートしています。

欠格要件については、申請者本人、法人の役員等、支店長や営業所長など、確認対象となる人を整理したうえで確認する必要があります。

「過去の事情が建設業許可に影響するか不安」
「役員変更前に欠格要件を確認したい」
「申請内容に虚偽や不備がないように進めたい」
「建設業許可の要件を一つずつ確認したい」

このような場合は、お気軽にご相談ください。

行政書士おおうち事務所が、現在の状況を丁寧にお聞きし、必要な手続きや確認事項をご案内いたします。

建設業許可申請について詳しく知りたい方は、建設業許可申請のページもご確認ください。

お問い合わせは、お問い合わせフォームまたはお電話0277-46-8181までお気軽にどうぞ。

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